実はDさんが最初に相談に来られた時はイメージや要望がかなり散漫でつかみきれない印象でした。やりたい事も具体的に見えてきません。そこで今の生活を見させてもらうことに。 うん!なるほど。
一気にイメージが固まってくると同時にDさんには一般的な固定観念はまったく不要である事も確信します。

当時は、ご夫婦二人きりでお子さんの予定はなかった事、そして幸い団地の1階という事で比較的制約が少なく自由な発想が可能です。じゃあ思い切った提案をしよう。

えっと・・土足生活なんてどう?

解体可能な間仕切りを全部取っ払って床も解体。コンクリートむき出しにしちゃおう!
するとそれまでDさんの頭の中でバラバラだったイメージが一気に結びついてきた様でノリノリです。

大枠の部分までスタジオダックスが作って、後は後ろに下がってDさんの感性をバランスよく具体化する為のサポートに徹します。
我々が通常の設計施工をする場合、床を赤く塗ったり壁を黒く塗る事はまずありません。でもこの部屋ではアリなのです。全体のバランスと住み手の感性にマッチすれば何をやってもイイんですよ。

機能的だけど遊びのない陳腐な現代住宅とは真逆のこのお部屋は「理想の住空間とはなんぞや?」に対するスタジオダックスからの一つの回答です。

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