本やマンガ、レコードなどをパブリックスペースで楽しむ為の間仕切り本棚をリビングの入り口に造作。あえて動線をさえぎる事で玄関からダイニングが隠れ、リビングダイニングの居住性が向上します。広い部屋ならではの手法ですね。
もともとこの部屋には十分な収納スペースが備わっていたので、それらのほとんどを再利用してコストをおさえますが、玄関まわりだけは使い勝手と意匠を優先して下駄箱やクローゼットを新規に造作します。一般的には玄関のインテリアはあまり重要視されませんが、出来ればリビングやダイニングなどと同等に扱いたいところです。

このお部屋の最大の特徴は広い事です。階段を介さないワンフロアでこれだけの広さを占有できる事はそれだけでとっても贅沢な事ですね。反面、広い事がネックになって贅沢なんか言ってられないリフォームでした。そんな中で洗面所は4人家族なのに2ボール仕様。まっ先に計画から削られそうなところをあえて残したプチ贅沢。せっかくリフォームするんだからできるだけ要望に応えたい。特にライフスタイルに密着した要素は何が何でも実現したい。我々の意地でもあるのだ。
掲載写真は竣工して約1年経った状態。無垢の木部やサイザル麻は色を深め、真っ白だった板張りは節が浮いて味わいを増しています。無垢な空間はここに住む家族の成長と共にゆっくり変化し、一緒に歳を重ねていくんですね。

（おわり）
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場所：東京都杉並区／築24年分譲マンション3階部分
規模：約153平米全面リフォーム
床：タイルマヤヘンプ貼り
一部、無垢板練り付けクッションフロア貼り
個室はカーペット貼り（標準品）、畳表替え
玄関土間石貼りは既存のまま
壁：珪藻土、一部腰壁造作、一部古レンガ
個室はビニールクロス貼り（標準品）
天井：珪藻土
個室はビニールクロス貼り（標準品）
その他：間仕切り本棚造作、クローゼット造作
一部既存扉利用塗装仕上げ
TOTOシステムキッチン施工
ミーレ食洗機ビルトイン
TOTOユニットバス施工
施主支給海外シャンデリアを日本仕様に改造

設計・施工：スタジオダックス
Photo：SIGMA SD14/10-20mm EX DC