与えられた敷地は、上大岡駅から歩いて約10分の角地と言う理想的な環境。日当たりも良く好条件がそろっている敷地なので、ちょっとプレッシャーを感じつつ楽しむ訳です。 最初1週間くらいは毎日何十枚とスケッチをくりかえし、徐々に方向をしぼっていきます。2週目にやっと図面を引きはじめるのですが、細部が決まらない内に模型作りを始めてしまいます。インテリアデザイナーはインテリアから追っかけ始めるのですが、アーキテクトデザイナーの私としてはどうしてもエクステリアから攻め始めます。全体のボリュームが決定した段階で図面にもどって細部の調整。我ながらなかなかの提案内容に仕上がって内心ホッとすると同時にニヤニヤしているのでした。その後、打合せやメールでのやり取りを経て基本設計が終了し、正式に設計契約を結ぶ事となります。
暑い夏だった〜。確認申請、実施設計、見積調整を全部一人でしなくてはいけない(大汗)個人経営の事務所の宿命か。幸い施工をやってくれるKIMI建設は長い付き合いで色々助けてくれるので大変ありがたい。 工事契約をし、確認申請、公庫審査が終了した頃には夏も終わり、気付けば11月になっていたのでした。
角地と言う抜群の立地条件です。台形の敷地形状を生かして手前に低層のはなれを配し、奥に2階建ての母屋を配して奥行き感を演出しています。見る角度によって色んな表情をみせてくれる建物を目指しました。外壁は白い塗壁で横浜の青い空に似合います。ナチュラルな木の質感をバランスよく配置し空間のアクセントにしています。
低層棟と母屋の間にウッドデッキの中庭を配し、気候の良い時期には窓を開け放ってインテリアの延長として機能します。都会ではなかなかプライバシーを守れる外部空間は難しいのですが、ここなら安心して子供を遊ばせる事ができます。また、夜はライトアップされて、大人の空間にもパーティー会場にも多目的に使えます。ほどよい閉鎖感が安心を与える空間です。
夜にはさっそく引っ越されてゴールデンウイークは片付けでつぶれてしまいそうです。施主さまには大変喜ばれ、現場監督や職人さん共々ここまでの苦労が吹っ飛びます。ゴールデンウイーク終了後に残った外構工事を仕上げて完全完成です。これからもメンテナンスやコーディネートと施主さまとは長い付き合いになりそうですね。
終わり