マンションの配管上、トイレの位置の変更が不可能であった事と、ユニットバスは既存をそのまま利用すると言う制約から生まれたプランです。通常このような条件の場合、玄関からまっすぐの廊下を作って、バルコニー側に個室を作るプランが定番ですが、トイレの周りを島にして、回遊する空間を提案しています。ダイニングとワークルームを廊下と共有する事によって、空間を有効に使えます。

あえて玄関の段差を作らず、ドアをあけるとすぐにソルティーロの床と象徴的な古レンガの壁が目に飛び込んできます。奥の空間がどうなっているのか期待の膨らむ演出をしています。

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リフォームを前提にマンションを購入された若いご夫婦は、数社のリフォーム業者と打ち合わせされましたが、なかなか自分達の感性が理解されず、渋々妥協する寸前にスタジオダックスに連絡されました。
現場に伺ってみると、話が止まらないダンナさんとクリエイティブな奥さん、そして人が大好きなナナちゃん(ワンコ)達とすぐに意気投合し、さっそくプランを開始しました。
建物の構造上プランに制約があり、要望を詰め込むにはかなり難しい物件でしたが、施主の感性がスタジオダックスに相当近い事から、悩む事なくひらめきをそのままプラン出来ましたので、今までで最短かつ最高の提案が出来たと自画自賛。最低限のご要望をお聞きして、後はおまかせ頂ける方がビジュアルはもちろん、機能的にも良い物ができる良い例です。
部屋を区切らずに、オープンでありながら視線は隠せ、人の気配がどこでも感じる事のできる回遊プランです。ミシンやPCなど散らかっていた方が使い易い部分を目線から隠し、部屋全体としてスッキリ見せる事をねらっています。
玄関や廊下など無駄な空間を排除し、天井を高くした事により、狭い部屋を見た目にも実質的にも広くする事ができました。さらに、広いルーフバルコニーにデッキを敷いて、気候の良い季節にはリビングの延長として機能します。
料理が好きな奥様の為に、キッチンには特に力を入れています。見た目はもちろん、機能にも神経をつかっています。タイルトップが特にご要望では無かったのですが、あえて提案しています。汚れたり、割れたり、大変そうなイメージがありますが、本来タイルトップと言うのは熱い鍋を直接おいたり、乱暴にあつかって良いものなのです。日本のカントリー好きの人々が、機能より見た目を重視した事から日本では大事に扱わなければいけない素材と思われている様です。汚れても気にしなければ良いだけです。
奥さまが時間をかけて作るキーマカレーが美味しく、レパートリーもどんどん増えていく事でしょう。
家具やグリーンのコーディネートもさせて頂けましたので空間のバランスも良く、施主さまには大変喜んで頂けました。我々としてもここまで自由にやらせて頂いた事に感謝すると共にスタジオダックスの代表作と言える作品が出来た事を嬉しく思います。
場所: 東京都福生市
建物概要: 築10年中古分譲マンション5階
工事範囲: U.Bを除いた全面リフォーム約50平米
ルーフバルコニーウッドデッキ張り
床: パイン無垢フローリング、ブライワックス仕上、一部ソルティーロタイル
壁: 珪藻土左官仕上、一部古レンガ積み
天井: スケルトン天井AEP塗装仕上、一部珪藻土左官仕上
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