メーカー既製キッチンの話

各社キッチンメーカーの既製品は値段も安く実際にショールームで確認できる利点があります。また、機能や収納力、部品の精度などは値段で比較するとオーダーキッチンより優れていますね。しかし画一的な意匠しかなく機能優先でとっても味気ない・・。そしてプランニングの柔軟性はなく、凝った事はあまりできません。

オーダーキッチンを使いこなす自信がないお客さまや予算をおさえる時などにメーカー既製品を使いますが「妥協した」と思いながら使うのはなんだかさびしいものです。だからユニットを組み替えたり、吊り戸棚はオーダーで作ったり、面材を交換したり、見た目も機能も向上させたセミオーダー的な提案をしています。ちょっと手を入れるだけでメーカー既製キッチンでも楽しめますよ。

一時期流行ったフレーム式キッチンユニットです。アルミフレームの繊細かつ無骨な意匠がモダンで男性的ですね。このシンプルなフレーム構造にさまざまなオプションを組み合わせる事でオーダーの様なオリジナルのキッチンが組める事がウリでした。しかしこのデザインはなかなか一般ウケはしないですね。使いこなしもムツカしいし一般的なインテリアとの融合は絶望的ですね。

そうして各社のラインアップから次々と消えて行ったフレーム式キッチンユニットですが、もともとオーダーキッチン前提で考えている我々には最高のアイテムでした。

これら面ではなく線で構成された素材は壁で囲んだり閉鎖的な空間にピッタリはめ込むと良さが死んでしまいます。無造作に置いてあるくらいのラフな使い方をした方が生きてくるんですよ。ここではフレームだけの一番シンプルなユニットを無垢な素材の空間に置いただけ。ワイヤーラックや木の箱を組み込んだらメーカーの既製キッチンなのにフルオーダーみたいなオリジナルキッチンが出来ました。

 

玄関に入ったらすぐに目に飛び込んでくるオープンキッチン。だから本当はオーダーキッチンを作りたかったけど予算的にはムリそうだ。じゃあメーカー既製キッチンを使いましょう。

そこで一番シンプルで真っ白なフラット対面型のメーカー既製キッチンをセレクト。大容量の収納や扱い易さはさすがですね。

今回はキッチン本体にはいっさい手を加えていないオリジナルのままを設置しましたが、メーカー既製キッチンはそのまま使うと実に味気ないものです。そこで両側面を古レンガの壁ではさんで廊下側に珪藻土を塗れば一気にグレードアップ。機能と意匠と予算のバランスを考慮すればメーカー既製キッチンも選択肢ですね。

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