キッチンカウンターの話

特にマンションリフォームなどで物理的に給排水の移動が難しい場合があります。また、予算的にキビシイ場合などは既存キッチンを再利用したり、最小限の給排水工事で済む既存キッチンの形(I型とかL型とか)のままで新しくするだけなんて事になっちゃいますね。そうなると新しくキレイにはなるけど、使い勝手も含めてキッチンスタイルの大きな変更は望めません。

そんな時にはキッチンカウンターを造作する事が一番現実的ですね。給排水などの設備が絡まないので比較的安価に造作でき、引き出しや各種収納の機能、電子レンジや炊飯器などのキッチン家電なども収納できます。配膳台や作業台としての作業スペースも広くなるし、なんといっても意匠的に新しいキッチンスタイルを比較的簡単に演出する事ができるんですよ。

予算をおさえる為に既存のI型プランのキッチン本体を利用して再構築したキッチンです。そして、どうしても作業スペースの狭いI型プランを補完する為のキッチンカウンターを計画しました。

既存のキッチンを利用する事はよくある事例ですが、ここではちょっと凝った事をしています。食器洗浄機を組み込む為に既存のキッチンを一回バラして内部を組み替え、扉も交換しています。当然手間がかかる事ばかりですがキッチンを新しくするよりは安い選択ですね。そしてI型プランの欠点をおぎなうキッチンカウンターが作業性を向上させ意匠的に空間を引き締めます。

要望や夢を詰め込んでいけばキリがありません。そしてそれが必ずしも使い易いキッチンとはならないんですよね。だから自分の料理スタイルをよく分析してからキッチン作りは始めるべきです。そしてキッチンをフルに作ったらとってもお金がかかります。割り切る事ができるのならこんなキッチンカウンターを造るだけで比較的安価にキッチンをグレードアップできます。

既存のI型キッチンを再利用。その並びに収納とランドリーを計画です。キッチンを壁面にプランして手前にダイニングテーブルを置くスタイルが一般的には多い事例でしょうね。たしかに使い易いんですが、キッチンが丸見えなのでどうしても俗っぽく生活感が強くなります。

ある程度部屋が広いなら視覚的に生活感を間仕切る造作を考えましょう。そんな時には機能を補完するキッチンカウンターがベストですね。

キッチン家電やキッチングッズを収納できるのでコンパクトで使いやすいキッチンとなります。カトラリーやゴミ箱なども計画すればスッキリとした使いやすいキッチンとなります。そしてオープンだけど適度に生活感もおさえられますよ。

今回はキッチンカウンターに食洗機をビルトインしたので多少大掛かりですが、給排水工事が絡まなければ比較的安く簡単に計画できます。

ほとんど新築同然の戸建住宅のリフォームです。だから設備や仕上げなど、生かせるモノはそのまま利用しましょう。

キッチン本体も既存のままで使いたいのですが、パンを焼かれるお客様には機能不足ですねぇ。

そこでキッチン右側の冷蔵庫スペースを大型オーブン置き場とし、左側に新規の冷蔵庫置き場を造作します。そんな囲まれた空間の真ん中にはパン造りを快適にできるアイランド型のキッチンカウンターを設置して機能と収納を補完し、存在感のあるカントリースタイルは間延びした部屋を引き締めます。

そのキッチンカウンターにはお客さまが以前から使っていたバン生地をこねるための大理石板をはめ込み、力の入りやすい高さに設定しています。

I型のメーカー既製キッチンとキッチンカウンターを組み合わせたコンビネーションキッチンです。

既製品とオーダー家具のお互いの良い所を組み合わせて構成するキッチンの事をスタジオダックスではコンビネーションキッチンと呼んでいます。キッチンメーカーのキッチンは見た目に俗っぽいのですが値段の安さと金物の精度などは優れています。そこでお金のかかるキッチン本体に既製品を使用して、吊り戸棚や収納などはオーダーで仕上げるセミオーダーキッチンです。

大きなキッチンカウンターには冷蔵庫やキッチン家電が集約し、DENも絡めて人とモノが集まってきます。柔軟な発想を持てば限られた予算でも十分イメージに近いキッチンは出来ますよ。収納式のワゴンや大容量の収納など機能も優れたこのキッチンがこの部屋の中心です。

ここで紹介しているT邸キッチンリフォームは社団法人日本住宅設備システム協会主催「キッチンスペースコンクール2000」実例部門で大賞を受賞致しました。後援:経済産業省
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